分散分析とは?

分散分析とは?
ふりがな
分散分析(ぶんさんぶんせき)
英語表記
Analysis of Variance (ANOVA)
詳細な説明
研究活動における「分散分析」とは、複数のグループ間で観測されたデータの平均値が統計的に異なるかどうかを検定するための手法を指します。分散分析は、通常、ANOVA(Analysis of Variance)として知られており、一つ以上の独立変数が従属変数に与える影響を評価するために使用されます。
分散分析の主な目的は、グループ間の平均の差が偶然によるものではなく、実際に有意な差があるかどうかを確認することです。例えば、薬の効果を評価する研究で、複数の異なる薬の効果を比較する場合に、分散分析を使用して各薬の効果に統計的な差があるかを調べることができます。
分散分析にはいくつかの種類がありますが、最も基本的なのは一元配置分散分析(One-Way ANOVA)です。一元配置分散分析は、一つの独立変数が複数の水準を持つ場合に使用されます。例えば、三種類の肥料が植物の成長に与える影響を比較する場合に、一元配置分散分析が適用されます。
もう一つの一般的な手法は、二元配置分散分析(Two-Way ANOVA)です。これは、二つの独立変数が従属変数に与える影響を同時に評価するために使用されます。例えば、肥料の種類と水の量が植物の成長に与える影響を同時に評価する場合に、二元配置分散分析が適用されます。
分散分析の基本的な考え方は、全体のデータ変動をグループ内の変動とグループ間の変動に分け、その比率を比較することです。これにより、グループ間の差が偶然の変動よりも大きいかどうかを判断します。具体的には、F検定という統計手法を用いて、この比率の有意性を評価します。
分散分析の結果が有意である場合、それはグループ間に統計的に有意な差があることを示しています。しかし、分散分析自体はどのグループ間に差があるかを特定することはできません。そのため、有意な結果が得られた場合には、事後検定(Post-Hoc Test)を行い、具体的なグループ間の差を確認する必要があります。
総じて、研究活動における「分散分析」は、複数のグループ間で観測されたデータの平均値に統計的な差があるかどうかを検定するための重要な手法です。一元配置分散分析や二元配置分散分析など、様々なバリエーションがあり、研究の目的に応じて適切な手法を選択することが求められます。