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セカンダリーデータとは?

ふりがな

セカンダリーデータ(せかんだりーでーた)

英語表記

Secondary Data

詳細な説明

研究活動における「セカンダリーデータ」とは、他の研究者や機関が既に収集し、公開したデータを指します。これらのデータは、元の目的とは異なる新たな研究目的のために再利用されることが多いです。セカンダリーデータは、時間とコストを節約できるため、研究者にとって非常に有用です。

セカンダリーデータの典型的な例としては、政府統計、企業の売上データ、学術論文に掲載された調査結果、公開されたデータベースなどがあります。これらのデータは、多くの場合、広範な調査やデータ収集プロジェクトを通じて得られたものであり、研究者はこれを利用して新たな洞察や結論を導き出すことができます。

セカンダリーデータの利用にはいくつかの利点があります。まず、データ収集にかかる時間とコストを大幅に削減できる点です。既存のデータを利用することで、研究者はデータ収集のプロセスを省略し、分析に集中することができます。これにより、研究プロジェクトの迅速な進行が可能となります。

さらに、セカンダリーデータは、多くの場合、広範で大規模なデータセットであり、個々の研究者が独自に収集するのが難しいデータも含まれています。これにより、より広範な分析や、複雑な統計モデルの適用が可能となります。また、複数のセカンダリーデータセットを組み合わせることで、新たな研究視点や相関関係を見つけることができます。

しかし、セカンダリーデータの利用にはいくつかの課題も存在します。まず、データの質や信頼性に関する問題です。データが収集された背景や方法が明確でない場合、そのデータの信頼性に疑問が生じることがあります。また、元のデータが特定の目的のために収集されているため、新たな研究目的に完全に適合しない場合があります。

さらに、セカンダリーデータの利用には、倫理的および法的な考慮が必要です。データの利用に関する許可や、個人情報の保護に関する規制を遵守することが求められます。特に、データが個人に関するものである場合、プライバシー保護の観点から慎重な取り扱いが必要です。

総じて、研究活動における「セカンダリーデータ」は、既存のデータを新たな研究目的で再利用するための重要な資源です。その利用には時間とコストの節約、広範なデータセットの活用といった利点がある一方で、データの質、信頼性、倫理的・法的な考慮が必要です。これらを適切に管理することで、セカンダリーデータは研究活動において非常に有用なツールとなります。



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