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対照群とは?

ふりがな

対照群(たいしょうぐん)

英語表記

Control Group

詳細説明

対照群とは、研究活動において実験の基準となるグループを指し、独立変数の操作を受けない集団のことです。対照群は、実験群(独立変数の操作を受ける集団)と比較するために使用され、研究の結果を評価する際に重要な役割を果たします。

対照群の設定は、実験の信頼性と妥当性を高めるために不可欠です。対照群が存在することで、独立変数が従属変数に与える影響を明確にすることができます。これにより、結果の解釈がより正確になり、因果関係の特定が可能となります。

対照群と実験群の間では、独立変数以外のすべての条件が同一であることが求められます。これにより、観察される差異が独立変数の影響によるものであることを確実にします。例えば、新薬の効果を調べる臨床試験では、対照群にはプラセボ(偽薬)を投与し、実験群には実際の薬を投与することで、その効果を比較します。

対照群の選定には、ランダム化が重要な役割を果たします。ランダムに選ばれた対照群と実験群を比較することで、バイアスを最小限に抑え、結果の信頼性を向上させることができます。ランダム化対照試験(RCT: Randomized Controlled Trial)は、この手法を用いる代表的な研究デザインの一つです。

対照群の設定は、定量的研究と定性的研究の両方で利用されます。定量的研究では、統計的手法を用いて対照群と実験群の結果を比較し、独立変数の影響を評価します。一方、定性的研究では、対照群のデータを基にして、現象の理解を深めるための基礎情報を提供します。

対照群を使用することで、研究結果の解釈が容易になり、より明確な結論を導くことができます。また、対照群の存在は、研究の透明性と再現性を高め、他の研究者による検証を容易にします。これにより、科学的知識の蓄積と発展に寄与します。

総じて、対照群は研究活動において重要な要素であり、適切な設定と管理が求められます。対照群を正しく設けることで、研究の信頼性と妥当性を確保し、正確な結果と結論を導くことが可能となります。



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